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株式会社リバネス

リバネスはバリバリの宇宙系企業ではない。しかし“小中高生に実験教室”を提供している会社としてリバネスを知っている方も多いのではないだろうか? 理系大学生のインターンを積極的に受け入れていることで一部では有名な企業だ。 株式会社リバネス

そんなリバネスをなぜ今回紹介するのか?宇宙就活とは“宇宙開発に対する自分なりのかかわり方を探してもらう場”だ。それは“宇宙”を入口として自分なりの社会へのかかわり方を探してもらう場でもある。
  “宇宙だけじゃなくて教育にも興味がある人”
  “宇宙だけじゃなくサイエンスにも興味がある人”
へちょっと一風変わった宇宙へのかかわり方を紹介したい。
 

    リバネスとは??


 
最近は学校より予備校や塾のほうが大学と連携してのプロジェクト等、積極的に“教育活動”を行っている気がする。そんな中リバネスは最前線で研究をしている学生が自分たちの研究の魅力を“直接伝える出前実験教室”の開催や様々な分野のサイエンスを特集する高校生向けサイエンス雑誌someoneなどの教材開発に取り組んでいる。
「someoneは科学雑誌が多く廃刊している中で、できる限り手軽に最先端の科学を高校生たちに伝えられるような媒体です。
 

 
この雑誌はサイエンスライティングのトレーニングを受けた大学・大学院生がかかわっています。彼らの実績として活用していただくためにも署名を入れた形で、記事を掲載しています。
 
先端の実験教室を引き受ける学校、実験教室を行う大学・大学院生、そしてリバネスの全員にメリットがあるこの仕組み。大学生がいくら最前線の魅力を伝えるといっても所詮は学生、質の担保はどうしているのか?
 
藤:よく誤解されるのですが、コストを下げるために学生を利用していると思われがちですが、学生が質の高い実験教室を行おうとするととコスト上がんです!! 実際、実験教室もプロの社員だけで回した方が、効率的にいいものができます。でも、自分たち自身が育ったインターンという場をコストをかけてでも学生に提供し続けることが重要なのです。そのため、インターンは、1週間程度の短期間ではなく最低半年かかわってもらうことを絶対条件としています。
 

ミーティング中のインターン生
 
藤;「成果物の質を高めるために彼らに対して我々リバネスが経産省に採択された事業として開発した“バイオコミュケーター育成プログラム”をもとにしたトレーニングを提供しています。だから実は一番学んでいるのは授業をやっている学生なんですね。彼らは企業や研究所に入ってからも即戦力として活躍できます。

このように“次世代育成”と“学生の即戦力化”を同時に行いながら
“サイエンスの面白さを現場から発信していく” 加えてリバネスはインターンを通じて即戦力化成長した学生達や、DRの学生を中心に就職先紹介などのキャリアサポートの事業も行っている。これ全てがリバネスの柱の一つである実験教室、書籍発行のビジネスモデル。非常によくできた仕組みだと感心してしまった。

藤:「他の事業としてはようやく去年、我々の研究室ができまして実験の受注、共同研究事業をようやく始めることができました(笑)。念願のハイテクベンチャーへの第一歩ですね。 面白いものでいえば“野菜”を売っています”。

藤:これは“農学と農業をつなげよう”ということで農林水産開発事業の一つです。企業や大学と一緒に食育プログラムを行ったり、野菜の販売を行ったりしています。この事業の一環として“リバネス米”を作ってみんなで刈り取りをしました。社員の福利厚生の一環としても面白い事業だと思っています。
 

    サイエンスのリバネスから宇宙教育のリバネスへ

教育業界に新しい風を吹き込んでいるリバネス。彼らは今宇宙教育の分野にも乗り出し始めている。(プロジェクトのリンク)リバネスと宇宙、これらをつなぐものは何なのだろうか?そもそもどういった経緯でこのプロジェクトは立ち上がったのか?
 
藤:「ちょうど昨年“きぼうJEM”の有償利用が始まりました。(JEMのインタビューもぜひチェックをお願いします!!)
その一環としてJAMSSさんなどがCOSMOSPACE PROJECTということで植物の種子を宇宙に持って行くプロジェクトを行っていました。宇宙を本当に利用する本物のサイエンスを提供できることに魅力を感じこれに参加しました。」


宇宙を本当に利用しての教育はどうしてもコストがかかるが貴重な機会だが、逆にいえばお金さえ払えば宇宙が使える時代になったということだ。これは宇宙開発の成果の一つだろう。
とはいえ予算はどうしても最低限数100万円はかかる。とても普通の学校には払えない。そこで企業から協賛を募りプロジェクトを進めている。このようにいろんなところと連携してプロジェクトを運営していくところもリバネスの力の一つかもしれない。
 
「たとえば面白いのは沖縄の企業さんなんかだと、全然宇宙にも教育にも直接関係はないのですが地元の子ども達にぜひこういった機会を届けたいという社長さんの熱意で協力してくださっています。」
 

    宇宙から未来の科学へつながるストーリー

さて宇宙教育プロジェクトの詳細に移ろう。基本は植物の種を日本の宇宙ステーションモジュールである“きぼう”に半年保管し、それを持ち帰って実験を行うというものだ。

藤:「今回われわれはマメ科の中でも日本固有のものである“ミヤコグサ”と、世界でもっとも研究されている“シロイナズナ”を持っていくことの2つを持っていくにしました。マメ科植物は窒素固定と言って空気中の窒素、つまり植物にとっての栄養を自分のものに出来るんです。だからマメ科植物を植えるとやせた土地がいつの間にか肥沃な土地になっている!!そんなマメ科植物は“宇宙に最初に行くだろう植物”といわれているんです。実際将来宇宙に入植する場合の手段の一つとして研究されています。 」
「この2つを打ち上げることによって“植物が一度宇宙に行ったらどういったことがおこるのか?”ということを調べます。この種を半年間きぼうに保管しておいて、地上で保管しておいたものと比較して違いを全国の高校100校にどう違うのかを調べてもらいます。」


近年アニメや漫画の影響で宇宙開発はある意味当たり前になっている。
“宇宙に行っただけ”では高校生の興味をで引くのは難しい。そんな彼らにもサイエンスを楽しんでもらうべくこのプロジェクトは運営されている。

藤:「サイエンスをストーリーとして楽しんでもらうことがカギです。 宇宙飛行士の若田さんにもこのプロジェクトへの協力を要請していて彼にきぼうでビデオメッセージをもらいます。彼から全国の高校生にミッションとしてこのプログラムへの参加を要請してもらい、最後は高校生が若田さんに報告をします。まさに国家ミッションとして取り組んでもらうわけです。
 

 
「そして宇宙に行った植物の変化は正式な研究としてもやられていないことです。結果が出るか出ないかは正直わからないのですが、全国の大学の教授をアドバイザーに迎え研究としてもある程度成果が出るように推進していきます。だから研究対象としても面白い題材なんです。」
非常に面白いプロジェクトではあるが万が一失敗したらどうするのだろうか?(それは宇宙ステーション全体の危機になりかねないのであまり考えたくはないが・・)

藤:「我々が一番リスクを取らないとこういう面白いことはできません。失敗したらごめんなさいということで進めています。その代り今の段階での予算は全部我々が持っています。正直まだこのプロジェクトから儲けは出ていません。でも宇宙ってサイエンスのすべての分野が終結しているので我々が盛り上げないで誰が盛り上げるんだ!!って気持ちでやっています。すでにJAXA宇宙教育センターの方とも話していて今後も継続的に宇宙教育プロジェクトを進めていくことにはしています。最終的には日本人すべての人たちに宇宙の魅力を伝えていきたいですね。」
 

    リバネスの目指すもの

教育にゴールはないといわれる。しかしゴールがなければ計画は立てられない。事実日本の教育は“命の大切さ”など抽象的な題目ばかりが先行しているように感じられる。りリバネスはどうだろうか?
「サイエンスをただ楽しんでもらうだけで終わりたくない。授業なんて所詮一回、“きっかけづくりにしか過ぎない”でも。彼らがそれで興味を持ってくれれば彼らは自分で学びだすんです。彼らが自分で動きだすためのスタートラインを切らせてあげることこそが私たちの役目です。実際我々のプロジェクトは興味をもったその先もフォローできるように様々なプログラムを組んでいます。
“わくわくしている人”、“自分がやってることに誇りを持っている人”を育てつづけたい
です」

将来はサイエンスという枠にとどまらず“わくわくすること”なら社会科学分野にも取り組んでいきたいという藤田さん。予定時間を30分以上もオーバーして取材は終わった。
 

 

エピローグ
  20時50分。夜勤ではないのにしては妙にたくさんの人が残っているし、活気を感じる。さすがにそろそろ帰りの時間ではないだろうか?

研究を終えた大学院生達がリバネスに出社してくる。いよいよ本番を迎える実験教室の最後の詰めのMTGを行っている。

オフィスでは次に出版する雑誌の打ち合わせなどで7割ほどの机に人が残っている。

「明日も仕事です」

実験教室などは平日に必ずしも行えるわけではない。土日こそが本番の時もある。藤田さんが部屋に戻ってきた。
「せっかく何でこれから我々が作ったカフェにご案内しますよ」
額に少し、汗が光っている。完
 
編集後記
  というわけで取材後はリバネス社員様が出資されたサイエンスカフェにご案内してもらいました。すごく雰囲気もいいし、料理がうまい!!リバネス米を食べたい人はぜひこちらに(笑) 自分のカフェをもっちゃうとかかっこいいですよね〜共同で出資すればオーナーになれるそうなので興味ある方は是非!!?

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