小定様(以後小) |
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はい、宜しくお願いします。実は、YACの地方分団には、大学生が中心に運営してる、大学の分団って言うのもいくつかあるので、大学生とは協力して行きたいんです。二人も興味あったらよろしくお願いしますね〜(笑)
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イ |
へぇ〜そうなんですか!例えばどこの大学ですか??
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小 |
東北大学や北海道大学、九州大学なんかは大学生が活発に活動していますよ。
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イ |
そうだったんですか!さっそくなんですが、YACさんはどんなお仕事されてるんですか?
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小 |
YACの仕事には、本部事業・地方事業・受託事業の3つがあります。
本部事業というのは、本部主催のイベントを運営したり、教材を作ったり、広報活動をしたり、と言うようなものです。
地方事業と言うのは、地方にある分団の活動をサポートするって事です。
地方の分団はボランティアさんがメインで行ってもらっています。 大学にも分団があります。東北大学、北海道、九州大学ですね。そこは、サークル活動みたいな感じで大学生中心の活動もありますよ。
最後に、受託事業っていうのは、JAXAなど外部から依頼される仕事ですね。たとえば宇宙教育指導者セミナー)、コズミックカレッジなんてものがあったりします。宇宙教育指導者セミナーは、宇宙教育を行おうとする教育者の方々に対してノウハウを提供しようということでやっていて、コズミックカレッジは、子どもたちを対象とした宇宙教育プログラムです。
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イ |
宇宙教育センターとYACのかかわりってどうなっているんでしょうか?どちらも同じような組織なのでは?
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小 |
そもそもYACと宇宙教育センターは別の組織です。YACは宇宙教育を世界的に行おうと、青少年の理科離れを懸念したレーガン大統領が呼びかけたところから始まりました。宇宙教育センターはJAXAが広報から独立した教育専門部隊を作ろうということで、2005年の5月にできた組織ですからもともとは別なんです。
JAXAには宇宙教育の題材がそろっているけど宇宙教育センターには何分実行組織が不足してるんです。そこでJAXAが我が国の宇宙教育の大まかな方針、施策を決めて、我々YACは全国の社会教育現場の最前線において、宇宙教育実践活動を浸透、定着させる大変重要な役割ををしてますね。最前線での団員、指導者の貴重な声を反映すべく、JAXAとともに宇宙教育の政策運営の一端を担っています。こっちは全国に125分団がありますから。 ただ、お互い宇宙教育ということを両方とも追及しています。
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イ |
宇宙教育ってなんなのですか?僕も航空宇宙系の学生なので宇宙教育?は受けていますが・・・
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小 |
そうですね(笑)我々はあくまで小中高生を基本的に対象にしています。その上で、あくまで宇宙のことを教えるだけじゃなくて、宇宙っていう魅力ある題材を通じて子供たちの人作り教育をしようとしています。それは匠のこころや冒険心、探求心であり、宇宙という観点で物事を見ることであり、命の大切さを伝えるということです。 |
我々にとっては宇宙も教育も両方大切であり、宇宙を通じて人材育成をやっていきたいと思っています。 実施方法としては先ほど紹介した活動以外にもインターネットで放映もしています。(右写真:右端が小定様) 実は今取材しているこの場所はコズミックスタジオっていってここで撮影した動画を毎月放送しています。今後アーカイブ形式にして過去のものを見れるようにしたいですね。 |
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イ |
そうした場合YACの活動評価の指標って何になるんでしょうか?単に広報だったら宇宙を知ってる人が増えただけかどうかだと思うんですが教育が絡むとなると・・・
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小 |
僕らがやりたいのは将来の社会に貢献する人を作りたい!!ってことでやってるんで、定量評価はすごーく難しいんですが・・・・・一例として文科省等がYAC活動に参加した人がどう変わったかというアンケートを取ったことがあります。これによるとYAC活動に参加してくれた子供たちの多くが大学選択時や就職の選択時にYAC活動の影響があったと回答してくれたことがありました。
これ以外としては分団数、分団の行う活動の数が増えていることが大切かなと思っています。YAC参加者の後追いは正直あまりやっていませんが、たまに宇宙業界で再会することはありますね。たとえばYAC活動中から目立っていた子が今は種子島でロケットのカウントダウンをやっていたりもします。
あとは“夢をかなえた先輩たち”ということでパンフレットに記載もされていますね。
こういった人たちがまたYACに今度は指導者として戻ってきてくれたりもします。そういうとき本当にあーめぐっているなーって実感しますねー。
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イ |
大学の時から宇宙教育の活動に参加されたのちに、YACに入社されたんですか?
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小 |
YACは確かにやっていましたが専門は畑違いでした。宮城大学の事業構想学部事業計画学科ってところに所属していました。社会に貢献する事業を立ち上げていこうという理念のもと、事業をやる人は人間としてもすばらしくなければならないってことで宇宙教育も授業の一環としてあったんです。今宇宙連詩の編纂委員長をやられている佐治晴夫先生のもと、僕は授業を受けて宇宙教育の可能性に引かれてこの世界に入ってきました。
(連詩とは、詩人大岡信が中心となり世界中に広められている、日本伝統文化の連歌・連句を発展させて生まれた形式です。現在、JAXAが中心となり、インターネットによる一般公募を基本に、詩人・文化人による寄稿を組み合わせながら、宇宙連詩を編纂しています。プラネタリウムなどで、美しい宇宙の映像をバックに連詩が次々と登場する形式で紹介されていたりします。ごらんになったことある人もいるのでは?)
それまでは理系の人に式ばっかりで頭が固いなーという偏見があったんですが、宇宙教育のことを通じて理系の人もすごいなー、文系や理系の枠を意識しない、リベラルアーツとしての宇宙教育がしたいいな、と思ってはまりましたね。
当時東北大学の学生でも宇宙教育をやりたいって人が、僕の先生に相談に来て、じゃあ僕も手伝おうかなってのがYACを知ったきっかけでした。
最初はボランティアなんて興味もなかったし、先生への恩返しのつもりでやっていたんだけどボランティア活動って自分のためにもなるんですよね。いろんな人に会えるし、教えると自分も身に付くしってことでどんどんはまっていきました。
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イ |
就職活動はどんな感じだったんですか??
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小 |
宇宙教育に興味を持ったのは2年生の時。その時から宇宙教育をやりたいってことでいろんな研究室とかを受けたんですけど、宇宙教育ってのはあまり企業にはうけなくってね(笑)しょうがないから先生の下で1年お手伝いしようかなって思っていたらちょうどYACから求人があったので入っちゃいました(笑)
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イ |
YAC入社にあたってのイメージとのギャップってありましたか?
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小 |
YACに入った当初はここじゃないと!!みたいには思ってはいませんでした(笑)やっぱりもっと大きいところのほうで教育をしたいなーと思っていましたね。 でも今なぜやっているのかというとそれはもう“いい人”とたくさん会えるからですね。宇宙教育に携わっている方ってのは能力もそうですが人格的にも本当に非常にいい人が多いんです。そういった老若男女のいい人と会うなかで僕自身が成長できることが最大の魅力です。
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イ |
団員数の現状ってどうなってるんですか??
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小 |
残念ながら減っています。いくつか理由があります。まずは少子化ですし、活動をサポートしてくれているボランティアさんの活動の波もそうです。高齢化も進んでいるところや、活動が沈静化してしまった所もやっぱりあります。昔は教育員会や科学館などが全面的にサポートしてくれた上で分団を設立するなどが出来ましたが予算が減らされているため行政のサポートも少なくなってきました。あとは、ボーイスカウトとガールスカウトもそうなんですが最近社会教育自体が流行ってないという現状があります。うーん頑張らないといけないですね(笑)
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イ |
今後の展望を聞かせてください。
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小 |
全国125か所に分団があるんですがこれをもっと増やしていくことがまず急務です。
活動に参加したいのにできない子供たちや、分団を設立したいと思っている人たちのサポートをしていくことがカギになると思っています。
たとえば宇宙教育指導者セミナーというものを開催していて、なんだかんだで800人近くの人がセミナーを受けました。彼らがもっと活動をやりやすくなるように教材や活動の際の費用をサポートすることを考えています。
あとJAXAの方では学校の教育プログラムの過程の一つにしてもらおうという働きかけをしているようです。実際私自身も宮城教育大学附属小学校に講演会に行ったりしました。
企業と協力して教材開発とかもやっています。たとえばこれはベネッセコーポレーションと開発した教材ですね。宇宙教育活動を活性化させる上で、やりたい学生に対するサポートも重要だと考えています。
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イ |
そういった学生は今後どういった進路をとればいいんでしょうか?
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小 |
基本はまぁYACに参加を先ずボランティアという形でしてみてほしい。やってみてわかることがたくさんあります。専門知識は必ずしも必須ではないです。僕自身、宇宙も教育も専門ではないですから。
その上で改めて宇宙教育がやりたいのか、それとも教育がやりたいのかを考えてほしい。
教育が単にやりたいのであれば研究機関に入ったり、教師になったりとかいろいろ道があります。
宇宙教育がやりたいってそれでも思うならまずやっちゃえばいいんですよ(笑)大学時代は何でもできますからね。やる気さえばあれば。宇宙の学部じゃなくてもロケットや衛星を作ってしまう学生さんもいるぐらいですからなんでもできますよ!!
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イ |
就職、ということを考えるといかがでしょう?
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小 |
基本はJAXA,そして我々YAC,あとは理科教育をやっているところでしょうか。例えばリバネスさんでしょうか?私自身は直接かかわりはないのですが宇宙教育プロジェクトを立ち上げられていたはずです。
私自身は今後宇宙教育という分野はもっともっと必要とされてくると思っています。
昔は、自分の村が自分にとっての世界で、それが時にたつにつれ、国になりそして今後は地球という単位でものを考えるようになりました。そうした中宇宙からの視点、宇宙からの教育がますますが重要になってくるんじゃないでしょうか?
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イ |
YACでつらいことってなんですか?本音ベースでお願いします!!(笑)たぶん、宇宙教育で食べていけるのか?というところがみなネックになるのかなと思うんですが・・・
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小 |
やっぱり休みがない!!ってところでしょうか(笑)。とにかくいそがしい、体力が必要です。平日はイベントの準備や教材開発、指導者との打合せなどをして、休日はイベントなどの実践活動。全国に分団があるのでYACに入ってから言ってない県がないってぐらいいろんなところに行きました。
教育って終わりがないので、ノルマが決められているわけじゃないです。でも自分が言った一言が子供たちの一生を左右するかもしれないわけです。そう考えるととてもいい加減な仕事はできない。こういった責任感を持ってもらえる方と働きたいです。
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イ |
コサダさんの今後の展望を教えてください。
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小 |
まずはYACにかかわっている子供たちを3000人から30000人にしたいです。それからYACをもっといろんな人に知ってほしいですね。YACのスタッフは少ない分本当に一人一人がいろんなことをやっているんです。 YACは一人一人がいろんな役割を担うことを期待されていますがその分、いろんなことができる可能性がありますから。
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