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株式会社山之内製作所

皆さんは旋盤・フライス・NC旋盤すべて使いこなせるだろうか?エンジニアとしては必須のスキルであるが、最近は大学によっては授業そのものがないところもあると聞く。
今回取材させていただいた山之内製作所(YSEC)は、航空宇宙をはじめとして、精密部品の加工を専門に行う企業だ。大学生の就職活動の選択肢には、なかなか入りにくいところかもしれないが、ものづくりの根本を支える方々のお話をぜひ聞いてほしい。
株式会社山之内製作所

インタビュアー(以後イ)  
  YSECの業務内容全般についてお聞かせください。

佐藤様(以後佐)
航空宇宙機器・医療機器・防衛機器・原子力機器などの部品の超精密化加工、とくに他社が苦手とする、精密加工、しかも短納期専門ですね。医療が3割・防衛原子力が1割・航空宇宙で6割ですね。航空宇宙6割のうちの2割が宇宙、4割が航空です。
企業としてのスタートは医療機器から始まりました。最初は歯磨き粉を自動で絞りだす機械(笑)なんかも作っていたようです。日本で独占的なシェアを誇る東芝さんと共同でいままでやってきました。現在、医療関係では歯科用レントゲンやMRI等に使われているX線照射機の部品を主に加工しています。
航空宇宙をやり始めたのは東芝経由でJAXAさんと付き合いする機会があったこと、それから全国組織で今進んでいる“まんてんプロジェクト”を発起人として立ち上げたこと等がきっかけです。現在は航空分野では主にエンジンと機体の接合部分などの部品を作っています。宇宙関係の部品では人口衛星太陽電池のジョイント部分、船外ロボットアーム、原子力では炉心部品、タービンブレードを作っております。

 
工場の様子

まんてんプロジェクトってなんですか?
 
航空宇宙関係の部品加工の受注を地域共同で受注しようというプロジェクトです。航空宇宙関係の部品の加工は単一の企業の持つ技術だけでは厳しい場合も多いのですが、各社の技術力を結集すれば製品として受注できる!!ということで始められました。航空関係部品は今後国産機開発や、ボーイングの新型機の開発などでかなり需要が見込まれていることから各社が力を入れている分野です。
 
加工を頼まれる部品どんな感じでたのまれるんですか?どんな用途に使われるかは分かっているんですか?
 
製品によりますね。航空宇宙関係や医療関係は用途まで含めて教えていただけます。例えばH2Aロケットに部品が使われているが、自分達の作った部品がつまれているロケットの打ち上げをみたいという夢を持って働いている社員もいます。あ、社長を含め数人の社員はもう実際行って見ているんですけどね(笑)
ただし、防衛関係の物などは何の部品か分からないものも多いですね(笑)。
また、加工依頼の際には寸法を与えられて、ここの精度は絶対出してください!!
という風に指定されます。特に航空分野なんかだと、寸分の狂いも許されませんからね。

 
YSECは短納期の精密加工が得意としているとありましたがそれを達成する要因はなんでしょうか?
 
うちは平均年齢約30歳の若い人が多い会社なので全員が技術的に優れているわけではありません、もちろんベテランもいますが、彼らが中心になって若手への技術継承を行っている状況です。伝説の職人がいてその人だより!!っていう皆さんがよく抱きがちなイメージではないです(笑)。
逆に工作機械は高性能な物を多数揃えています。それこそが要因だと思います。
短納期は、設立当初から他者から試作品などの一品ものを引き受けてきたこことから培われてきたノウハウによって達成しています。どうしても試作品等は難しいですし、一品ものなので継続して注文があるわけではないので、一般的には儲からないですから他社は敬遠しがちです。そこで我々の出番という訳です。(笑)
あとはJISなどの航空関係や環境の規格をクリアしていることも上げられると思います。

 
社員の育成プログラム等はどうなっていますか?
 
すべての人員を一度現場に出すことになっています。旋盤、フライスなどの基本的な加工は全員に経験してもらいます。仮に営業部門に行った場合でも、「わからないから後で検討します」じゃあ仕事になりませんから(笑)
ベテランの人が彼ら用のマニュアルを構築しているのでそれを見せて、かつ、つきっきりで指導して育てます。

 
社員の募集を見ますと専門学校や工業高校の人がメインですが、大学生には何を期待していますか?かつどういった能力をもとめますか?
 
先も申しましたとおりうちは非常に平均年齢が若い組織です。現場を担う人材はだいぶ揃ってきています。その分まだ管理体制が整っていないので体制を整えていくことが課題です。ですから大学生の新卒には会社を管理する能力を期待したいですね。
そして、自己完結能力がある人が欲しいですね。
自己完結能力とは仕事を受け取ったら、責任もって、最後までとどめをさせる能力です。社長も繰り返し言っていることですが最後まできちんとやりきるってのは、基本ですがとても大切な事ですからですね。
あとはちゃんと自分なりの目標が持っている人ですね。何の仕事でもそうですが、そういうのがないと挫折しちゃいますからね。

 
若手社員様の働く様子
 
御社が課題とされている事は人材以外何かありますか??
 
どこも一緒だと思いますが新人さんが定着してくれない現状があります。
あとは報・連・相の部分。コミュニケーションはとっていますが、肝心なところが抜けてしまっている場合がありますね。

 
指導に関してどのような対策をとられようとしていますか?
 
まずは徹底させることですよね。次に問題が起きたときに、自分だけでリカバーしようとする現状があるので以前はなかった生産管理課という部門を設置しました。現場の人が全て管理すると大変なので、これを管理するためにつくられた。この課で機械の故障なども含む情報をあげてもらい、社内メールなどですぐみんなに伝わるようにしています。
最終的にはしつこく“報・連・相”のくせをつけさせるのが大事です。

 
今後の山之内製作所さんの展望を教えてください。
 
今度の経済産業省、JAXA等と連携して、海外への中小企業への進出を図っていきます。海外で航空関係の仕事をしている企業の部品加工などをしていきたいです。
特にまんてんプロジェクト、これは一社だけなく多くの中小企業を連携しその中で中核として活動していきたいと考えています。あと当社としましては航空宇宙関係の新工場もできるのでますます航空宇宙系に力をいれていきたいですね。

 
最後に就活生へのメッセージをお願いします。
 
当社では航空宇宙をはじめ、様々な業界で活動しています。部品加工する面では宇宙も、医療もすべて同じ。夢をみるのでなく、柔軟に企業を選んでみてください。その中で自分が作った部品がロケットや飛行機に使われているのはすごくやりがいがあります。私達はそれぞれの部品に対し、誇りを持って加工しています。ぜひ皆さんの就職活動の中に弊社も加えていただければ幸いです。
 


 
山之内製作所さんのお話はここまでです!今回は新潟から神奈川に出張に来ていらっしゃった、佐藤様にお忙しい中、ご都合を付けて頂きました、本当にありがとうございました。 当日は社長さんが直々にご来場いただけるそうなので、もの作りに対する熱い思いを是非聞かせていただきたいですね^^
 

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